『ビジネスゲーム』を読み解く:第3章「会社はスポーツチームに似ている」
こんにちは、日々キャリアについて研究し、キャリアで自己実現することを応援しているくららです。
前回の記事では、組織が軍隊のようなピラミッド構造を持つことについてお話ししました。今回はさらに視点を広げ、第3章「会社はスポーツチームに似ている」について解説します。組織での働き方をスポーツに例えることで、その本質と攻略法を見ていきましょう。
目 次
会社はスポーツチームのような存在
著者は、ビジネスの世界は単なる軍隊ではなく、むしろスポーツチームに近い性質を持つと述べています。その理由は以下の5点に集約されます:
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ほとんどの仕事がチームで行われる
組織内のプロジェクトや日々の業務は、個人だけでなく、チームの協力が不可欠です。 -
メンバーは基本的に志願者から選ばれる
志願者として就職した後、組織の中で適材適所に配置されます。 -
必要な技術や能力が求められる
スポーツチームと同様、会社でも役割に応じたスキルがなければ評価されにくいです。 -
能力次第でトレーニングや昇進が可能
スポーツと同じように、実績を残せばさらなる成長の機会が与えられますが、期待に応えられない場合、役割を交代される可能性もあります。 -
チームの目的は「勝つこと」
会社の場合、「勝つこと」とは売上目標の達成や競争優位性の確立を指します。
日本企業における「ドラフト」の仕組み
日本では特に新卒採用が主流ですが、これはスポーツの「ドラフト会議」に例えられます。大学の派閥やOB訪問といった要素が、企業内でのチーム編成に影響を与えます。
スポーツの部活動経験がある学生が有利とされる背景には、チームでの協働やリーダーシップを経験している点が挙げられます。この「スポーツ体質」が、日本企業の文化にも根強く残っているのです。
女性が抱える「チーム行動」の課題
近年、女性もチームスポーツに参加する機会が増えましたが、男女間での文化の違いが影響を与えることがあります。特に女性同士のチーム内では、以下のような問題が発生しがちです:
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裏切りやルール違反
女性間で起こりやすいトラブルとして「ルール違反」や「ミソジニー」が挙げられます。これが続くと、足の引っ張り合いや相互不信が生まれます。 -
チームの目的との乖離
チームプレイを守らない行動や、個人の利益を優先する行動が問題視されます。
女性がチームの中で成功するためには、 「自分の役割を守る」ことと「他人の仕事をしない」 という意識が重要です。他人の責任を肩代わりすることで評価されるどころか、逆に非効率なメンバーと見なされる可能性もあります。
「勝つこと」にこだわりすぎないマインドセット
組織内で女性が成功するためには、 負けたとしても必要以上に落ち込まないこと が重要です。次の点に注意して、冷静にチーム行動を取ることが求められます:
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意見が通らなくても責めない
上司や同僚が自分の意見を採用しなかったとしても、それを個人攻撃と捉えない。 -
自分の仕事に集中する
他人の責任を肩代わりせず、まずは自分のタスクを完璧にこなすことが基本です。 -
感情的な行動を避ける
不愉快な出来事があっても冷静さを保ち、感情に任せた行動をしない。
賢いプレイヤーになるための秘訣
本書では、賢いプレイヤーになるための具体的な行動指針が紹介されています。これらは、実際のビジネスシーンでも非常に役立つポイントです:
- 自分の仕事を十分に理解し、必要な知識と技術を磨く。
- 不愉快な出来事があっても感情的にならず、冷静に対応する。
- 会議では上司に逆らわず、代替案を提案することで柔軟性を示す。
- 他人が抜擢されても怒らず、冷静に受け止める。
- 全ての人に役立とうとせず、焦点を絞った貢献を目指す。
- ミスをした場合もがっかりせず、そこから学ぶ姿勢を持つ。
実体験から学んだ教訓
私自身、40代で外資系企業に管理職候補として中途採用されました。しかし、管理職試験の推薦を得るまでに3年を要し、それ以前に他の女性社員が抜擢されました。この経験を通じて以下の教訓を得ました:
- 上司とのコミュニケーションが不足していたことで、評価が下がった。
- 別部署の専務の仕事を優先した結果、チーム内でのルール違反とみなされた。
- 自分の感情に流されて行動し、失敗を繰り返してしまった。
その後、コーチングを受けることで、ルールを理解し、戦略的な行動を取る重要性を学びました。この経験が、現在のキャリア形成に大きく貢献しています。
まとめ:スポーツとしてのビジネスを理解する
『ビジネスゲーム』第3章では、組織をスポーツチームに例えることで、個人とチームの役割の関係性を明らかにしています。
特に女性がキャリアの中でチームプレイを成功させるためには、自分の役割を正確に把握し、感情をコントロールしながら冷静に行動することが求められます。次回の記事では、さらに具体的な行動指針や、勝ち続けるためのメンタルスキルについて掘り下げていきます。