ブックレビュー ビジネス・ゲーム その1 ルールを知る必要性

おはようございます。日々キャリアについて研究し、キャリアで自己実現することを応援しているくららです。

今週は、将来が予測しづらい不確実な時代における「女性が企業や社会で生き抜くコツ」に関するヒントとなる本をご紹介します。その本はベティ・L・ハラガンの『ビジネス・ゲーム』です。副題の「誰も教えてくれなかった女性の働き方」が示すように、特に女性に向けたビジネスでの戦略的な考え方が紹介されています。

この本は1977年に出版されましたが、2020年現在でも、女性が職場で公平な環境を求めて奮闘している状況は変わりません。コロナ禍における企業や政府の不安定さを背景に、私たち女性が生き抜くための「コツ」を身につける重要性を著者が感じていたのは間違いないでしょう。

著者が伝える中心的な考えは、「ビジネスはゲームである」というものです。彼女は「男女で子ども時代に親しむ遊びが異なることで、後にビジネス社会での行動の違いにつながる」という前提から出発し、女性が企業社会でうまく立ち回るための知識を伝えています。

例えば、「ライン」(経営に直結する部門)にいる方が「スタッフ」(サポート部門)より出世しやすい、また、上司には逆らわないことが出世には重要だと述べています。しかし、著者であるハラガンは、「私の本が日本の女性にも役立てば嬉しいが、各国に異なる状況があるため、私の言葉がそのまま役に立つかはわからない」とも語っています。さらに訳者も、「何が何でも出世を目指す姿勢には疑問を抱く声もある」とし、これは「ひとつの視点」として読まれるべきで、「唯一絶対の考えではない」としています。

私も同感です。著者が最も伝えたいのは「戦に挑むなら、相手を知ることが必須である」ということです。優秀な女性が男性のアシスタントとして働き、貢献が評価されない現状を変えるのは難しいかもしれませんが、現実を知れば「自分に問題があるのではない」と気付くことができ、新たな視点が開けるかもしれません。例えば、アメリカではオプラ・ウィンフリーが、自身の放送局を立ち上げました。1980年代、彼女が男性司会者と給与の違いを訴えた際、「家庭を支える必要があるのか」と問われたそうです。彼女はその後、スタッフの給与設定にも自ら関与する決意をしました。日本でも、東京都知事の小池百合子氏が、国の政策にとどまらず東京都独自のコロナ対策を打ち出しています。賛否両論ありますが、女性が自分の立場で最善を尽くす姿勢を示しています。

まずは「ルールを知る」という視点でこの本を読んでみてはいかがでしょうか。13章で構成されているこの本を、1日1章ずつ、私自身の経験も交えてエッセンスをお伝えしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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