ビジネスゲームを読み解く:第6章 あなただって管理職になれる
こんにちは、日々キャリアについて研究し、キャリアを通じた自己実現を応援しているくららです。今回は『あなただって管理職になれる』の第6章に焦点を当て、女性が管理職になるための課題やヒントを掘り下げます。これから紹介する内容が、皆さんのキャリアを考える一助になれば幸いです。
目 次
日本の女性管理職の現状
まず、最新のデータから日本の女性管理職の割合を見てみましょう。内閣府が公開しているデータによると、2020年時点での日本の女性管理職の割合は以下の通りです。
- 係長級:21.3%
- 課長級:11.5%
- 部長級:8.5%
また、上場企業の役員に占める女性の割合は6.2%とわずかながら増加していますが、依然として低い水準です【1】。
こうした状況は諸外国と比較しても遅れており、特に管理的職業従事者に占める女性の割合(13.3%)は欧米諸国よりも低い数字となっています。一方で、起業家に占める女性の割合は34.2%(2017年時点)と、他の分野に比べて健闘していると言えるでしょう。
女性が管理職に就きにくい理由
管理職における女性の割合が低い背景には、男性中心の社会構造だけではなく、女性自身の意識や行動にも課題があると著者は指摘します。
管理職に対する先入観
多くの女性は「自分には管理職は向いていない」「人を管理するなんて難しそう」と考えがちです。しかし、管理職に求められるのは「天才的なリーダーシップ」ではなく、「訓練されたプレイヤー」であること。つまり、管理職は誰にでも目指せるものだという視点が必要です。
ルールを知らないことへの恐れ
特に女性の場合、自己啓発に時間を割く一方で、ビジネス社会のルールや仕組みを学ぶ機会が不足していることが多いです。しかし、著者は「ルールを知ることがキャリアの成功に直結する」と強調しています。
管理職のメリット
著者は、管理職の役割を3つの観点で「魅力的」と評価しています。
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収入と影響力を得る
管理職になることで、より高い収入や意思決定に関与する機会が増えます。 -
時間の管理ができる
責任の範囲が明確になるため、自分のスケジュールをコントロールしやすくなります。 -
スラック(余裕)を持てる
仕事に余裕が生まれることで、プライベートの時間も増え、幸福感が高まります。
どうしたら管理職になれるのか?
行動を観察し、学ぶ
成功している男性や女性管理職を注意深く観察し、その行動や振る舞いを模倣することが第一歩です。さらに、採用面接時には「将来的にはマネジメントのポジションにつきたい」と意欲を示すことが重要です。
時間管理能力の向上
管理職には、限られた時間の中で成果を出す能力が求められます。時には100%の完成形を目指すよりも、期限内に適切な成果物を提供することが評価される場面も多いです。「スピード>完成度」を意識することがポイントです。
スラックを活用する
スラックが生まれることで、仕事外の人間関係や健康管理にエネルギーを注げるようになります。こうした余裕は、幸福感を高めるだけでなく、長期的なキャリアの安定にもつながります。
「やりがい幻想」からの脱却
女性に特有の「やりがい幻想」に注意する必要があります。多くの人が「やりがいのある仕事こそが自分を満たす」と考えがちですが、現実の仕事は予想外のタスクや変化に満ちています。シャープがコロナ禍でマスク製造を開始した例のように、柔軟に対応できる姿勢が重要です。
また、昇進のためには「多くの仕事をこなす」だけでは不十分です。変化の中で何を始め、何を止めるべきかを判断できる力が求められます。
管理職の可能性を活かして
管理職になることで得られるのは、単なる「責任」だけではありません。新たな人間関係を築き、自分の才能や適性を発見する機会にもつながります。管理職を目指すことは、仕事の幅を広げ、人生をより豊かにする選択肢の一つと言えるでしょう。
参考文献
女性が管理職としてキャリアを築くことは簡単ではありませんが、不可能でもありません。著者の示すヒントを参考に、皆さん自身のキャリアプランを具体化してみてはいかがでしょうか?